昨年夏の、いわゆる「天皇陛下の譲位」に関する報道により、様々な意見や考えが出されています。
政府は平成30年を区切りとして ”陛下の御意向を汲んで譲位” を為す方向で進んでいると報道されています。
あの陛下の御発言の真意が「譲位」にあったとは私はあまり思っていないのですが、決まって進みゆくことはそれはそれとして、妙な方向に進まないように気をつけておくことが必要かとも思ってみたりします。
そんな中、神道政治連盟国会議員懇談会の皇室制度に関する勉強会の様子が神社新報の記事になっていました。
この中で、広く日本国民共通の認識として持っておくべきだろうと思うところがあるので、抜粋転載しておきます。
まずは、「天皇が天皇たる由縁はなんであるのか」という点です。
これについては神道の立場からは
・三種の神器を受け継ぐ点
・神勅に基づく点
・宮中における祭祀を続けてきた点
の3点に尽きると断じています。
さて、政府が進める「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」では退位後の天皇の称号については次のような意見が出されたそうです。
- 「天皇」という文言を伴う称号の場合、新天皇との間で、象徴や権威の二重性の問題を惹起するおそれがある
- 歴史を踏まえつつ、新しい概念としての「上皇」という名称だという理解で良いのではないか
- 退位した天皇の后を「皇太后」と呼ぶ先例がある一方、「皇太后」には未亡人というイメージがあるため、退位された天皇を「上皇」と呼ぶのであれば「上皇后」もある
また、今回譲位がなされ、現在の皇太子殿下が皇位に就かれると、皇位継承順位の第1位が秋篠宮殿下となられますが、新天皇の御子ではないため「皇太子」の称号は使えないことについては
- 秋篠宮皇嗣殿下、皇嗣秋篠宮殿下、皇嗣殿下という呼称は可能(宮内庁)
- 皇室典範では皇嗣たる皇子を皇太子と定めているが、皇太子の定義の変更が適切か検討する必要がある
- 皇嗣は法律概念として定着したとしても一般にはあまり認識されていないので「皇嗣」の意味を広く国民に周知することが必要
などの意見が出されたようです。
我が国の象徴たる御存在について、もっと広く国民が関心を寄せる必要があると考えますし、関心を持つように、理解を深めるようにマスメディアにはしっかりと、かつ正しく報道を行って欲しいと切に願うところです。
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