木の神様を祀る伊太祁曽神社(和歌山市鎮座)のブログ。
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一口に天神と申しますけれども、実は天神には三種類あるということを、まず最初に述べたいと思います。
中国や朝鮮半島にも天神の信仰はあります。その天神は天の神。天上の神。一番最高の神は昊天上帝(こうてんじょうこう)。ちょっと難しい字を書きますが。
例えば六国史の二番目の書物、『続日本紀』と申します。その『続日本紀』の延暦四年、長岡に都が移ったのが延暦三年、七八四年ですが、その翌年の七五八年に、交野市柏原で天神を桓武天皇が祭られたという記録が残っています。これは十一月の冬至の日に行われた祭りです。都の南の郊外。中国で言えば、北京の天壇公園の天壇に倣っているということです。
その天神は、延暦六年にも桓武天皇が郊祀を行っております。日本の天皇で、郊祀を行った確実な最初の天皇は桓武天皇です。その延暦六年、『続日本紀』の記述に郊祀の内容が詳しく書かれております。大納言の藤原継縄が祭文を上奏しておりますが、その天神は中国の皇帝が祭祀した天神と同じです。
あるいは朝鮮半島で、文献に天神と出てくる資料もございますが、これは日月星辰、太陽だったり、月の神であったり、星の神であったり、天上の神を天神と呼びます。
天神社という社は全て、ここでお話になる菅原道真公を祭っていると思ったら、それは間違いです。京都市の北白川天神社という天神社がございます。これは少彦名命を祭神として祭っていますし、そして雷さん、雷雨神としての信仰の天神社であります。
この雷雨神としての天神信仰は、道真公の天満天神の問題を考えるときにも関係がありますので、記憶の隅に残しておいていただきたいと思います。
二番目は天ッ神・国ッ神の天神です。高天原系統の神々を天神、天ッ神と申します。芦原中国の神々を国ッ神と申します。
そして第三が今日の主題である、天満天神。菅原道真公を神様としてお祭りする、天満天神の信仰でございます。
伊太祁曽神社の蛭子神社に合祀されている天神社の神様は、のどかな農村部にありましたから「昊天上帝」などとおうぎょうなものではなく、素朴に天上の神様という意味なのだと思っていましたが、それが間違いではなかったと確認できました。
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