割り箸論争についての掲載も3回目になりました。
前回は、現在日本で使用される割り箸の9割超が輸入に頼っており、その内の98%が中国からの輸入ということを記しました。
中国国土に占める森林の割合は17%、一方日本は46%であり中国の狭い森林を伐採するのは良くないという意見があります。ところが、中国国土は960万平方キロ、日本は38万平方キロですので面積で示すと中国の森林は163.2平方キロ、一方日本の森林は17.5平方キロとなります。面積でいうならば中国は日本国土の4倍以上の森林を保有しているともいえます。これを「中国の森林は少ない」と考えるか否かは個々の判断にお任せします。また中国製割箸材料のうち67%はロシアとモンゴルの材木という統計もあります。。
[0回]
いずれにしても中国での今の伐採方式には問題があるようです。中国では割り箸製造のために森林の「皆伐」を行っています。皆伐は文字通り「全ての樹木を伐採する」ことで、山に聳える木を根こそぎ伐ってしまうのです。作業効率が非常によく、結果伐採コストが安く抑えられるため製品も安くなるというメリットがあります。しかし、皆伐を行うと
・ 土壌流出を起こしやすくなり、土砂災害が発生する
・ 森林の保水力が失われるため洪水を引き起こし易くなる
・ 水の浄化機能が失われる
・ 地球温暖化が推進される
などのデメリットが発生します。中国政府は法律で植林を義務付けていますが、現実には機能していないようで、伐採後の用地は農業用に転用されており、森林は減少する一方だと言います。間伐や択伐(適切な木を選んで伐採する)にすれば森林は守られますが、その分手間がかかりコストに跳ね返ってきます。その意味では「安い」を理由に飛びつく我々にも問題がないとはいえません。
実際、平成10年(1998)に発生した中国北部および長江流域での大洪水について中国政府は「割り箸などのための森林伐採で保水能力がなくなったことが原因」という見解を発表しているほどです。
WWFによる「日本の割り箸利用が熱帯雨林の森林を破壊している」という論はともかく、中国から「日本はわが国の森林を破壊されている」と非難されても容易に弁明することは難しそうです。
では輸入割り箸の使用をやめてしまいましょうか?そのあたりについて、次回は考えますPR
COMMENT
いよいよ・・・
楽しみにしています。
感謝
今日は フォローをして頂き ありがとうございました
勉強不足を助けて頂いて 感謝しております
木霊さんの説明は 説得力がありますもんね
今後ともよろしくお願いします
無題
輸入割箸に関する一つの大きな問題です。お楽しみに!
mama様
どういたしまして。最近は敬神の念とかいう以前のマナーすらなってない方が多くて嫌になります。そういう意味でもとてもほほえましい写真を見せていただきました。ありがとうございます。