木の神様を祀る伊太祁曽神社(和歌山市鎮座)のブログ。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
国司(今で言うなら県知事にあたる)は、赴任するとその国の主たる神社に参拝することとされました。
この時に国司が参拝する神社の順番として 一の宮・二の宮・・・ と定められていったという説があります。
ところが国司いるのは国府ですが、国府から主たる神社が遠い場合が多々あります。
そうすると、国府に近いそれなりの規模の神社を 「一の宮」 として参拝したりしたようです。
そのため、一の宮に挙げられる神社の社格には、勅裁社や官幣社もあれば県社や郷社もあります。延喜式神名帳に列せられていない神社あります。
また、時代の変遷で神社の規模などが変わると、一の宮も変遷していったようです。
ひとつの国に一の宮が複数あるのはそのためです。
一の宮に対して二の宮、三の宮が定められている土地もあります。
一の宮に国司が拝礼するということは、律令制の崩壊とともに廃れて行きますが、江戸時代に橘三喜という神道者が全国の一の宮を巡拝し、『諸国一宮巡詣記』(全13巻)を記してから一般庶民に一の宮巡拝が広がり、現在にも伝わっています。
一般に 「一の宮」 というと各国の一の宮を指しますが、これにならって後に市や村の一の宮を定めたところもあります。
また、一の宮等の鎮座する場所が 「一の宮」 などの地名になっているところも少なくありません。
例)愛知県の一宮市(東海道線尾張一宮駅)は、尾張国一の宮である真清田神社の鎮座地。
神奈川県の二宮町(東海道線二宮駅)は、相模国二の宮である川匂神社の鎮座地。
ちなみに、兵庫県の三宮は、生田神社を囲むように鎮座する生田裔神八社の三宮が鎮座することから地名になっており、諸国一の宮とは別のものです。
COMMENT