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木の神様を祀る伊太祁曽神社(和歌山市鎮座)のブログ。

木の国神話の社 禰宜日誌

   

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「いのり」と「みのり」:紀北の12社寺特別プログラム

昨年、11月1日~11月30日に実施された 「いのり」と「みのり」の旅 (主催:「祓い、祈り、希う」和歌山紀北キャンペーン社寺連絡会、JR西日本、南海電鉄、和歌山電鐵) が、今年も開催されることになりました。

今年は9月20日~12月10日と期間も長くなり、特別プログラムの実施も12社寺に増えました。
キャンペーンの詳細につきましては、近々 JR西日本、南海電鉄、和歌山電鐵 の各駅に掲出されるポスターや配布されるチラシをご覧頂きたいと思います。

伊太祁曽神社での特別プログラムは、昨年同様に御垣内参拝と神職による由緒説明、そして端材を活用したエコ箸づくりです。
このお箸づくりについては、伊太祁曽神社が単に木の神様を祀っているから木のお箸を造るといった単純なものではないのですが、そんな説明も特別プログラム参加の方には説明をさせていただく予定です。
とはいえ、限られた時間での説明となりますので、詳細については以下に記した、過去のブログ記事を参考にしていただければと思います。
また、今回のお箸作りのキットは、このブログの記事から誕生したモノなんですね。最後のほうにはそんなことも記しています。

・少し古い記事ですので統計の数値などは現在と異なる場合が在ります
・各タイトルに元記事へのリンクを貼っていますが、読み易い様に同一内容をコピーして掲出しています。大変な長文になっています。予めご了承下さい。
・各記事にはコメントが付けられたりしていますので、興味のある方は、元記事もご覧ください。

つづきはこちらから


 

拍手[1回]


割り箸を使うのは森林破壊になるか? (平成20年4月7日)
過日、材木屋の友人が「割り箸を使おう!」という記事を書いているのを拝見しました。
巷では「割り箸の使用は森林破壊に繋がる。自前の箸を持ち歩き、割り箸の使用量を減らそう」という声があちらこちらで聞かれ、「マイ箸」「エコ箸」といった運動が盛んにされています。
こういった世間の動きとは真っ向から対立する意見ですが、なぜそんな主張がでてくるのか、また実際は割り箸と森林破壊の関係はどうなっているのか気になったので調べてみました。

(長文になりますので、数回に分けて記載させていただきます)

箸は弥生時代には登場していたようで、大陸から稲作文化とともに輸入されてきたのではないかと考えられています。割り箸文化が普及したのは江戸時代の文化文政年間(1804~1825)のようで、吉野杉などを用いて1本1本手作業で作られたようです。割り箸が量産されるようになったのは大正13年頃、機械化による生産は昭和初期といわれています。
 
この様な歴史を経て誕生してきた割り箸ですが、もともとは国産材の「端材」「間伐材」を材料としていました。
「端材」は丸太を板や角材に製材する過程で出てくる余った部分です。丸い木から四角ものを切り出すのですから余分が出てくるのは当然のことです。この端材については基本的にはゴミとして処分されるものです。
「間伐材」は間伐された樹木のことです。間伐は木材として適切な樹木を育てるためには必要なことです。沢山植樹した苗木が大きくなると木々の間隔が混み合ってきて日光が充分にあたらなくなります。日があたらなくなると病気を引き起こしたり、下草が生えないという状況が発生します。そのために「間引き」を行いますが、それが「間伐」です。
下草が生えないと土壌流出を起こしやすくなり、土砂災害を引き起こす危険が高くなります。また土壌の保水力が弱くなるため、樹木の生育が悪くなりちょっとした雨風で倒木の危険性が高くなります。
間伐は建材などとして売却する主伐までの繋ぎとして、林業経営者にとっては大事な収入源でもありました。昔は間伐材は割り箸の他にも建築現場の足場材など利用用途が多かったのですが、足場は鉄製にとって変わられました。
 
いずれにしても割り箸の材料とされる樹木は「端材」「間伐材」といった、用途がなければゴミとして処分されてしまう材木なのです。
 
ここまで書くと「なんだ、割り箸を使うのはいいことじゃないか」となるのですが、事態はそんなに簡単ではないのです。



割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その2 (平成20年4月14日)
前回は「割り箸は処分される端材や間伐材を原料に製造される」と記しました。そのまま考えるとリサイクルの一種ともいえることであり「割り箸の利用は環境にやさしい!」ということになりますが、残念ながらそんなに単純なことではありません。

需要の増大とともに、建築には適さない樹木も原料として使用されるようになりました。また海外からの輸入材も用いられるようになっています。

外材の輸入は年々増え続け、製品として輸入される割り箸もあわせると、国内使用量の90%までを占めるといわれています。そのため平成元年(1989)には世界最大の民間自然保護団体であるWWF(世界自然保護基金)が「日本は割箸の大量使用で、熱帯雨林を破壊している」と非難されました。
現在、日本で使用されている割り箸は年間250億膳といわれています。日本人は年間1人200本の割り箸を使っている計算になります。この割り箸の使用量については10年間ほとんど変わっていないそうです。ところで平成19年は226億膳の割り箸が輸入されました。(日本割り箸輸入協会輸入統計2007年度
つまり90%もの割り箸が輸入されているのが実情です。しかし割り箸の輸入先は98%が中国からという統計(日本割り箸輸入協会輸入統計2007年度)があり、非難されている「熱帯雨林」には属しません。また、東南アジアからの輸入は製品が主体であり、しかも割り箸以外の用途には使用に適さないとされる材の有効活用であり、ベニヤ板の材料となるラワンとは事情が異なります。そして、東南アジア諸国では割り箸の輸出はその国の雇用対策や外貨獲得手段となっていることも忘れてはいけません。

それでは輸入割り箸・割り箸のための外材輸入には問題がないかというとそうでもありません。輸入割り箸の大半は中国からのようですので、次回は中国製割り箸の実態を見てみましょう。
 



割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その3 (平成20年4月21日)

割り箸論争についての掲載も3回目になりました。
前回は、現在日本で使用される割り箸の9割超が輸入に頼っており、その内の98%が中国からの輸入ということを記しました。

中国国土に占める森林の割合は17%、一方日本は46%であり中国の狭い森林を伐採するのは良くないという意見があります。ところが、中国国土は960万平方キロ、日本は38万平方キロですので面積で示すと中国の森林は163.2平方キロ、一方日本の森林は17.5平方キロとなります。面積でいうならば中国は日本国土の4倍以上の森林を保有しているともいえます。これを「中国の森林は少ない」と考えるか否かは個々の判断にお任せします。また中国製割箸材料のうち67%はロシアとモンゴルの材木という統計もあります。

いずれにしても中国での今の伐採方式には問題があるようです。中国では割り箸製造のために森林の「皆伐」を行っています。皆伐は文字通り「全ての樹木を伐採する」ことで、山に聳える木を根こそぎ伐ってしまうのです。作業効率が非常によく、結果伐採コストが安く抑えられるため製品も安くなるというメリットがあります。しかし、皆伐を行うと
土壌流出を起こしやすくなり、土砂災害が発生する
森林の保水力が失われるため洪水を引き起こし易くなる
水の浄化機能が失われる
地球温暖化が推進される
などのデメリットが発生します。中国政府は法律で植林を義務付けていますが、現実には機能していないようで、伐採後の用地は農業用に転用されており、森林は減少する一方だと言います。間伐や択伐(適切な木を選んで伐採する)にすれば森林は守られますが、その分手間がかかりコストに跳ね返ってきます。その意味では「安い」を理由に飛びつく我々にも問題がないとはいえません。
実際、平成10年(1998)に発生した中国北部および長江流域での大洪水について中国政府は「割り箸などのための森林伐採で保水能力がなくなったことが原因」という見解を発表しているほどです。
 
WWFによる「日本の割り箸利用が熱帯雨林の森林を破壊している」という論はともかく、中国から「日本はわが国の森林を破壊されている」と非難されても容易に弁明することは難しそうです。
では輸入割り箸の使用をやめてしまいましょうか?そのあたりについて、次回は考えます。



割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その4 (平成20年4月28日)
割り箸論争の4回目です。
日本の割り箸需要は中国が支えていることを前回記しました。同時に中国の森林破壊の要因に割り箸が数えられることも記しました。
それでは中国からの輸入をやめればよいのか、割り箸の利用はやっぱり良くないのか、もう少し考えて見ましょう。

既に日本への割り箸輸出は中国での1つの産業となっており、一方的に中止してしまうことは中国国内での雇用などに大きな影響を与えてしまいます。
このことは新たな問題を生み出しています。つまり日本が直ちに割り箸の使用をやめ、中国からの輸入を止めても、既に日本から輸入された割り箸文化が中国に定着し、結局中国の森林伐採は止まらないというのです。
 
この様な状況から考えると、日本が割り箸の輸入をやめることが良いことだとは簡単に言うことはできず、またやめたところで森林伐採がとめられるという保障もないことが浮き彫りになってきます。
 
では、どうすればよいのでしょうか?
次回は、このことについて考えましょう。
 


割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その5 (平成20年5月14日)
 
割り箸論争の5回目です。
先週は行事が重なり掲載を1週延ばさせていただきました・・・。
が、今週の月曜・火曜とまたまた所用が重なり、掲載が大変遅くなりました。 m(_ _)m
読者が少なければ 「しれっ」 としているのですが、どうやらこの話題、読んで下さる方が少なくないようで・・・。
ありがたいことです。
 
さて、割り箸の輸入をやめれば海外の森林伐採を食い止めることができる。
一方で、その国の雇用や外貨獲得手段を奪ってしまう。またすでに割り箸文化が定着しだしている国では、例え日本が輸入をやめても自国内で使用が進み、森林伐採はとまらない可能性がある。
このようなことを前回は記しました。
 
とはいえ、そのままで良いはずがありません。どうすればよいのでしょうか?
キーポイントは、「日本国内で生産された当初の割り箸は端材や間伐材を用いている」という点ではないでしょうか?

日本が外国からの輸入割り箸を使用する理由は「安いから」です。実際、国内にはまだまだ使用されずに残っている間伐材が沢山あります。少し古い統計ですが、1987年度の間伐材は441万立米ですが、その内206万立米が林に放置されたままといいます。割り箸にすれば1030億膳分、即ち5年超分の割り箸になります。つまり割り箸の材料については日本国内ですら超過状態にあるのですが、運搬費用なども計算すると輸入するほうが安いのです。
外国産の割り箸が安い理由は、第1に労働力が安いことが上げられますが、同時に皆伐方式ということもあげられます。皆伐によるデメリットはすでに記した通りです。皆伐で割り箸を生産させるのではなく、間伐若しくは伐採後の植林を行うことで、そのデメリットは解消されてゆきます。森林は伐採したら終わりという資源ではなく、植樹して再生させることができる資源だということを強く認識する必要があります。
勿論そういった方式を採用するとコストが上がります。その分については消費者に十分理解をさせてはどうでしょう?
これは国産材を用いた割り箸についてもいえることです。現在使用されずに廃棄されている木材を有効活用するために割り箸を使用する。大事なことです。割り箸の消費を減らしても森林伐採の抑制にはならないということが見えてきたのではないでしょうか?
 
まだ納得いかない方がいますか?
それでは、次回は割り箸に使用される木材の比率について記してみます。

その4 で指摘された、外国産割り箸に用いられている材についても、可能であれば迫ってみたいと思います。(あまり期待しないでくださいね・・・)



割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その6 (平成20年5月19日)
割り箸論争の6回目です。
 
日本国内で使用される割り箸の量はこの10数年大きな変化はなく、概ね年間250億膳が使用されています。これは大体立ち木250万本に相当する量だといわれます。この数字だけを取り上げて「割り箸を使うのは森林伐採を促進する」という方がいますが、少し違うようです。

林野庁の「木材需給表」によると、日本国内での木材利用量は輸入材もあわせると年間8,700万立米(平成17年度統計)といいます。4億本超の立木に相当する量です。(国産材に限っても560万立米、2,800万本の立木に相当します。)
つまり、日本国内で消費される木材量に占める割り箸の割合は僅か1%にも満たない量です。パルプ・チップ用に消費される木材が約1億8000万本分ですから50%近くを占めています。むしろこちらを減らす努力をするほうが現実的ではないかと思ってしまいます。
 
それでは割り箸にはどの様な木が用いられているのでしょうか?もともとは杉や竹で作られたといいます。奈良県吉野で大正時代に端材の有効活用として今日の割り箸が大幅に普及したという歴史を踏まえると、確かに杉などからはじまったのでしょう。
今では、これらに加えて、ヒノキやエゾ松などを用いたものが高級割り箸に分類されています。他にも白樺やアスペンなどが普及品として用いられています。
箸として使うわけですから、折れない程度の強度は必要ですが、家の柱ほどの強度は必要ないため、白樺やアスペンも用いられているのです。それぞれの特徴としては次のことが挙げられます。
 
 木目が美しく、またきれいに割れるが適度な強度があるため重宝される。多くは建築資材の端材が利用される。
 木肌がなめらかで香りがよく、殺菌・防カビ力がある。建材端材が利用されるが歩留まりがよいのが特徴。
エゾ松 木肌が細かく、木目がまっすぐで割りやすい。建築端材を活用して作られていたが、北海道の割箸製造業が激減しており、最近は使用量が減っている。
白樺 粘り強い木質と安価であることから普及用割り箸として用いられる。樹液が多いため利用されずに倒木放置されることが多かったが、割り箸製造過程で樹液を取り除くことに成功し、有効活用している。
アスペン 木質はやわらかいが、白くて軽く安価。マッチの軸木などにも用いられる。紙パルプ資材としても多く日本に輸入される。
 きれいに割れる、油をはじくなどの特徴があり、古くから割り箸材料として用いられてきた。カビが生じやすいのが欠点。


割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その7 (平成20年5月26日)
割り箸論争の7回目です
 
中国での割り箸製造の現状について記してみたいと思います。
中国産の割り箸と一概に言いますが、北部と南部では随分と様子が異なるようです。中国北部では100~200名の大規模工場で木製箸が、南部では10名程度の小規模工場で竹製箸が製造されているようです。

北部で製造されている木製箸の材料はシラカバやアスペンが多いようです。
これらは皆伐方式で伐採されるため手間がかからず、安価に供給されます。しかも中国政府では伐採後の植林を義務付けているにもかかわらず、行われていないのが実情のようです。また、中国で製造される木製箸の全てが中国産材木ではありません。割り箸のためにロシアやモンゴルから材木を輸入しています。中国製割り箸の2/3がこれらから輸入した材木で製造されているようです。残念ながら樹種までは調べられませんでしたが・・・。
日本と比べて、手間のかからない皆伐方式を採用し、伐採した材を丸々割り箸に用いるので低コストで製造できます。しかも伐採した後を植林しませんから苗木などの費用もかかりません。そんなこんなで中国製割り箸は国産よりも運賃を含めても安い値段で流通しています。これが中国製割り箸が圧倒的なシェアを占めている理由のようです。
 
中国製割り箸については別の視点からの問題点も指摘されています。漂白剤の使用です。漂白剤には「亜硝酸塩」が用いられることが多いようですが、この物質は発癌性が強いとされ、食品添加物としての使用に禁止や厳しい制限を設けている国が多いようです。更に問題なのは、漂白に使用した亜硝酸塩を洗い流す工程のない工場があるとか・・・。もっとも亜硝酸塩を用いて漂白するのは主に竹箸のようですが。
ちなみに、こういう事態が発生する背景には、日本では食品添加物としての使用が禁止されているが、中国では禁止されていないという状況があるようです。他にも二酸化硫黄や防カビ材、防腐剤が多く残留している場合もあるようで、厚生労働省が監視しているようです。
 
スーパーやコンビニで使用されている割り箸の製造国と漂白等の安全性について調査したサイトを見つけましたので紹介しておきます。
Colorful



割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その8 (平成20年6月2日)
割り箸論争の8回目です。
 
割り箸論争について、少し違う視点から見てみたいと思います。具体的には「マイ箸」「エコ箸」を使うと本当に環境保護になるのかということ。
確かに使い捨ての割り箸を使用しなくなりますので、なんかとっても環境にやさしいように思います。ではマイナス面は無いのでしょうか?
 
まずは、マイ箸の材料。物によっては石油資源を加工した製品もありますね。これはやはりNGではないでしょうか?
マイ箸普及のために次から次へと製品開発をして、それぞれを包装してゆく。消費者の中には新しい箸がでるとまたそれを購入する人がいるとも聞きます。有名タレントがマイ箸を薦めれば、既にマイ箸を持っていても同じデザインのものを買いに行く。これもNGだと思います。
使用したマイ箸は当然洗わなくてはなりません。外食した店舗で何度も使えるお箸がおいてあるのであれば他の食器と共に洗いますが、各個人が持参したマイ箸をそれぞれが持ち帰って箸だけ洗うことがあれば、これは水資源の無駄にも繋がります。洗剤を用いれば水質汚染にも・・・。
マイ箸のデメリットを少しあげてみました。こじつけ的な感じもしないでもないですが、そういう面もあるということを頭の片隅に置いておいてください。マイ箸の使い方を間違えればエコロジーにはならないのです。


割り箸を使うのは森林破壊になるのか? その9 (平成20年6月9日)
割り箸論争も振り返るともう9回目。2ヶ月に亘って掲載しているのですね。
そろそろまとめをして、一旦終わりにしたいと思います。
 
割り箸は木を伐採して生産される。木を伐るのは地球環境によろしくない。というのがそもそも割り箸の使用を控えて、マイ箸・エコ箸を使おうという運動の骨子だということでした。
一方で、割り箸は間伐材や端材を用いて作られており、捨てられてしまう材木の有効活用なのだから使わなくてはいけないという意見があることも確認しました。
 
ところが割り箸作りの現状は、9割超が輸入であり、しかも大方が中国であること。中国で製造される割り箸は端材や間伐材ではなく、1本の木をそのまま原料としていることがわかりました。更に中国政府は伐採した後に植林することを義務付けているにもかかわらず、ほとんど実施されていないのが実態だということもわかってきました。
 
しかし、同時に国内の森林では多くの間伐材が山に捨てられている実情もわかりました。更に人手不足や原木価格の低迷のため、十分な間伐ができず、間伐が行われないことで森林の育成が十分でないというマイナスのスパイラル構造に陥っていることもわかってきました。

それでは、今後どの様にするのが良いかということですが、いろんなかたがたと意見を交換させてゆく中で、「端材を用いたマイ箸を作ってみるのはどうかな」という意見が出てきました。それも作ったものを配ったりするのではなく、それぞれが自分や家族のために木を削って箸を作ってみようかと・・・。
伊太祁曽神社は木の神様を祀っている関係上、材木屋さんたちとの交流があり、彼らと話す中でやってみようということになりました。
その作業を行う中で、森林には間伐が必要なこと、日本の林業の抱える問題、割り箸が輸入に頼っていること・・・、などを話して、割り箸問題の抱えるさまざまな状況を知ってもらうことが必要ではないかと・・・。
 
材料は、それぞれの会社などで排出された端材を持ち寄って行うことで進めています。
そして、それぞれの木の特徴などを紹介してもらい、参加者がそれぞれに好きな木で箸をつくるという企画です。
お箸を作ったら使ってみたくなりますね。そのお箸で夕食を食べられたらなお良いなと考えています。
企画の詳細はこれからですし、はじめてのことで試行錯誤ですので、幅広く参加者を募ることは考えておりませんが、是非にという方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださいね。



国産割り箸の見直し (割り箸を使うのは森林破壊になるのか?番外編) (平成20年8月30日)
このブログで以前に割り箸について記したことがあります。
割り箸を使うのは森林破壊になるか?(以降9回連載)

この時、「割り箸は木を伐採して作られるので環境を破壊している」 という認識は誤りだと記しました。
8月30日付読売新聞夕刊(11面)に 「国産割りばし見直そう」 という記事が掲載されています。

 
 「割りばしが環境破壊を招くというイメージを少しでも変えたい」。大学が所有する里山で自然観察教室を13年間続けている京都女子大教授の高桑進さん(60)は9月、京都府内の大学の学生を集め、吉野杉で割りばしを作る特別講義を行う。国産の端材を使うことがミソだ。
割りばしの年間消費量は250億膳で、大半が中国産。自身も、使い捨てに疑問を持つ「マイはし」派だったが、昨年奈良県・吉野を訪ねてから変わった。地元 で杉の端材や間伐材を使った割りばし製造を知り、「無駄がなく、森林整備にも役立つ」と思い、PRを考えた。今春、はし袋のデザインやキャッチコピーを学 生から募った。「国産割りばしの良さを見直してもらうことから始めたい」


少しづつ、こちら向きの風が吹き始めているようです。

私も9月にちょっとした 「箸づくり」 のイベントを計画しています。
今回は内輪で実施して、いろいろと参加者の意見を聞いて、次回は広く周知して行いたいと思っています。
内容については、またこのブログで紹介しますね。



お箸キット (割り箸を使うのは森林破壊になるのか?番外編) (平成20年9月8日)
 
割り箸とマイ箸について連載をした関係で、随分と材木屋の友人とその話題で話をすることが多くなりました。

材木屋さんの青年会というのがあり、私も仲間に入れてもらっています。
その仲間の1人が、お箸キットというのを作ってくれました。

紫檀の棒2本、紙やすり3種類4枚、オイル

これらがセットになっています。

紫檀は先が細くなるようにカットされています。
これを紙やすりを使って、荒目~中目~細目の順に削って、使いやすいようにしてゆきます。
そして仕上げに、オイルを湿らせた布で拭いて完成だそうです。

作業時間は30分程度とか。

この試作品を見せてもらった横から、会のメンバーが分けて頂戴と購入して行き、あっという間に持ってきた分がなくなってしまいました。

私も2セットほど分けてもらいました。これらを参考に、今木材青年会の仲間と箸作りの企画を立てています。
今回は、仲間内だけで実施予定ですが、その様子についてはまたここで紹介します!
 


端材を使ったお箸作り (平成20年9月14日)

かねてよりブログに記していた お箸づくり を昨日行いました。

MOTTAINAI をサブテーマに、端材を用いたお箸づくりです。

丸太から板や角材を切り出すと、一番外側の丸い部分が不要な部分として切り落とされます。
これを 端材 と呼ぶのですが、もともと木製の割り箸は、奈良県吉野地方で端材を有効活用するものとして造られ始めたということです。
割り箸の歴史について

その原点に返り、材木屋さんで製材する過程で出た 端材 を持ち寄って、お箸を作ってみようという企画です。
この 端材 は、そのままでは ゴミ として処分されるものですから、正に 「もったいない」 の精神ですね。


小刀で削って、紙やすりで仕上げます今回は初めての試みということであり、また作業の様子も手探りでしたので、広く一般周知することは行わず、木材青年会の皆さんに声掛けして行いました。

結果8社16名の皆さんが集まり、箸作りを行うことに。
勿論、材料は各社で排出された 端材 を持ち寄ってもらいました。

紫檀、樅(もみ)、栗、櫟(いちい)、杉、桧、木曽ヒノキ、ウォールナッツ、、、(上の写真参照)
結構色々な木が集まりました。
それぞれの材料は、予め5~7mm角に製材してきて貰っていますので、箸として使いやすい長さにカットして、小刀や紙やすりを使って、先を細く、また手触りが良いように仕上げてゆきます。
子供達も参加していますが、なかなか上手に小刀を使っています。

完成したお箸おおよそ1時間で、細い角材から、思い思いのお箸が出来上がりました。
手の大きさに合わせて使いやすいお箸の長さが違いますので、素材だけでなく大きさもまちまち。

BBQ.jpgお箸を作ったら使ってみたくなるのが人情・・・。
ということで、炭火でバーベキューの準備をして、それぞれがつくったお箸で食事をしました。

右の写真は、完成したお箸ですが、左端の一番長いお箸。
これはバーベキュー用だそうです。
長いと、網の上のお肉も熱い思いをしなくても取ることができますからね。
う~ん、いろいろ考えてつくっていますね。

大阪木材青年経営者協議会では、10月11日(土)~12日(日)に、農林水産省近畿中国森林管理局の主催で行われる 「森の市」 にも お箸づくり のコーナーを計画しています。
興味のある方、是非足を運んでみてください。
森の市の案内はこちら 会場の地図はこちら お箸づくりは管理局南東の角地です。


風が吹いてきました!(割り箸論争:番外編) (平成20年10月28日)
このブログで以前に割り箸について記したことがあります。
割り箸を使うのは森林破壊になるか?(以降9回連載)

その中で、国内の森林は間伐もままならず荒れてしまう一方、外国から割り箸を輸入して、そのために輸入もとの国では森林破壊がされているという実態も報告しました。
そして、それらを解消するために、国産間伐材の有効活用が望ましいということを述べさせてもらいました。
勿論、その方法が全面解決ではなく、いろいろと波及する問題はあるのですが、ひとつの方法としてですね。

さて、本日の読売新聞朝刊に、非常に興味深い記事が掲載されていました。

和風レストランチェーンである 「かごの屋」 さんが、店舗で使う割り箸を、これまでの輸入材から、奈良県吉野産の間伐材に切り替えるというのです。

もともと木製の割り箸は、奈良県吉野地方で端材を有効活用するものとして造られ始めたということですから、原点回帰でしょうか。
割り箸の歴史について
 
■ 10月27日付け 読売新聞朝刊 12版(環境面)
森林再生へ国産割り箸
和風レストランチェーン「かごの屋」を経営するキンレイ(大阪市中央区)は、店舗で使う割りばしを、輸入材から奈良県吉野産の間伐材に切り替える。安価な中国産などに押されて国産木材の需要が減ったことで、適切な間伐が行われなくなった森林の再生を支援する。同社が使用するはしは年間700万~1000万ぜん。首都圏10店で始め、8府県の全62店に広げる。吉野産ヒノキの「マイはし」(1480円)も販売する。
こういう動きが出てきたことは大変に喜ばしいことだと思います。
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