木の神様を祀る伊太祁曽神社(和歌山市鎮座)のブログ。
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今年も みどりの日 に、祝日の意義を鑑みて 親子木工教室を開催しました。
今年で7回目になります。
今回は、海南市に本社を置く 高田耕造商店さん にご協力をいただき、タワシづくり体験をしてもらうことにしました。
ところで、「木工教室なのにどうしてタワシ?」という質問がありましたので、まずはそこから説明しておく必要がありますね。
タワシはシュロという木の皮を材料として作ります。下の写真はシュロから剥いだ木の皮を見せているところです。シュロの皮は繊維状になっていて、剥いだ後櫛で梳いで解して使うのだそうです。
海南市は、もともとシュロの産地で、シュロを用いた生活用品の一大生産地だったそうです。
国産のシュロの中でも紀州産は品質が良く重宝されたそうです。
ところが、やがて輸入のシュロや、シュロによく似たパームなど廉価に手に入る材料が現れ、また科学製品も登場し、次第に国産シュロの需要は衰退し、シュロ山も放置されるようになっていったそうです。
高田耕造商店さんは、国産シュロを用いた製品を製造している唯一の企業だそうで、少しずつシュロ山の再生にも取り組んでいます。
さて、木工教室では、毎年のことですがまず木の神様 五十猛命 にご挨拶をするところから始まります。全員で揃って神前でお参りをして、それからシュロの説明や、タワシづくりの注意事項を聞きました。
そしていよいよ作業開始です。
まずは、タワシをつくる機械の説明を聞きます。
針金を通して、その間にシュロを挟んで、ハンドルを回してタワシの原型をつくります。
実際に1つ実演をして見せてくれました。
この時に、いろいろと注意して作業をしないと出来上がりが不恰好になるだけでなく、シュロが抜けやすくなったり、水の切れ具合が悪くなったりするという説明もありました。
みんな、いいタワシを作ろうと、真剣なまなざしで見ています。
そして、待望のタワシづくり開始です。
自分で針金を機械にセットして、その間にシュロを均等に並べます。
この分量などは職人技ですので、さすがにスタッフの方が適量を見て指導してくれます。
そしてOKになったら、ハンドルを回して針金にシュロを巻いて行きます。
巻き上がると細長いタワシが完成します。
出来上がったタワシは、シュロの長さを揃えるために ”散髪機” に通して毛足を揃えます。散髪機も自分でハンドルを回して操作をします。
毛足がそろったタワシをスタッフの方が丸く留めて、よく見る亀の子タワシの完成です。
機械が1台なので、参加者は順番を待ちながら作業を見守っていました。
今は100円均一ショップなどでも簡単に手に入るタワシですがこれらはパームなどでつくられたもので毛足も固いのですが、国産シュロでつくったタワシはやわらかく優しく洗うことができます。
お風呂で体を洗うのに使っても心地よい固さなんですね。
ちなみに、今回出来上がったタワシはお店で販売すると2600円の商品だそうです!
なかなか好評だったタワシづくり。また何かの機会に行いたいと考えています。今回参加できなかった方で興味のある方、是非次回はご参加ください。
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