前回は「割り箸は処分される端材や間伐材を原料に製造される」と記しました。そのまま考えるとリサイクルの一種ともいえることであり「割り箸の利用は環境にやさしい!」ということになりますが、残念ながらそんなに単純なことではありません。
需要の増大とともに、建築には適さない樹木も原料として使用されるようになりました。また海外からの輸入材も用いられるようになっています。
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外材の輸入は年々増え続け、製品として輸入される割り箸もあわせると、国内使用量の90%までを占めるといわれています。そのため平成元年(1989)には世界最大の民間自然保護団体であるWWF(世界自然保護基金)が「日本は割箸の大量使用で、熱帯雨林を破壊している」と非難されました。
現在、日本で使用されている割り箸は年間250億膳といわれています。日本人は年間1人200本の割り箸を使っている計算になります。この割り箸の使用量については10年間ほとんど変わっていないそうです。ところで平成19年は226億膳の割り箸が輸入されました。(
日本割り箸輸入協会輸入統計2007年度)
つまり90%もの割り箸が輸入されているのが実情です。しかし割り箸の輸入先は98%が中国からという統計(
日本割り箸輸入協会輸入統計2007年度)があり、非難されている「熱帯雨林」には属しません。また、東南アジアからの輸入は製品が主体であり、しかも割り箸以外の用途には使用に適さないとされる材の有効活用であり、ベニヤ板の材料となるラワンとは事情が異なります。そして、東南アジア諸国では割り箸の輸出はその国の雇用対策や外貨獲得手段となっていることも忘れてはいけません。
それでは輸入割り箸・割り箸のための外材輸入には問題がないかというとそうでもありません。輸入割り箸の大半は中国からのようですので、次回は中国製割り箸の実態を見てみましょう。
(毎週月曜日にUPしてゆく予定です)
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COMMENT
無題
次回も目が離せませんね。
ありがとうございます
いろいろ調べているうちに、ついつい長くなりつつあります。下手すると夏ごろまで引っ張るかも!?
飽きずに読んでくださいね。