先日、地鎮祭について記しました(
地鎮祭)が、こんなニュースが流れてきました。
【奈良テレビ】
http://www.naratv.co.jp/news/20171201/20171201-04.html
以下、削除対策として一部引用しておきます。
奈良県が奈良市の大宮通り沿いで進めている観光拠点の整備事業で、きょう事業の中核となるホテルの地鎮祭が行われました。 県は奈良公園と平城宮跡を結ぶ大宮通りプロジェクトの一環として、県営プールなどの跡地に観光拠点の整備を進めています。今回建設される「JWマリオット」はその中核となるもので、外資系ホテルチェーンマリオット・インターナショナルが手がけるホテルの中でも最高級に位置づけられ、日本への進出は奈良が初めてとなります。 きょうは春日大社で地鎮祭が行われ、関係者およそ40人が工事の安全を祈願しました。 (後略)
記事中に「春日大社で地鎮祭」が行われたとあり、実際にニュースでも春日大社の社殿で参拝する様子が流れていました。
先日は「鎮め物を頂いてくるだけでは地鎮祭にはならない」という主旨の記事を書きましたが、「現場に出向かず神社の社頭での参拝は地鎮祭ではない」ということを今日は記しておきたいと思います。
尚、確認はとっておりませんが、おそらく春日大社でもこの祈願参拝は「地鎮祭」とは認識しておらず「工事安全祈願祭」とか「工事着工奉告祭」という位置づけだと思います。
どのような参拝であったかは祝詞を聞けばわかりますが、さすがにニュースでもそこは流れていませんでしたから、詳細は分かりませんが・・・。
地鎮祭というのは文字通り「大地を鎮める祭り」です。
「大地を鎮める」とはどういうことか。
わかりやすく端的に言うと「大地に住む様々なものが、建物を建てるに際して(また、出来上がった建物やそこで生活したり活用する人々に)禍を起こさないように、祟らないように、鎮める」ということです。
そしてそのためのお供え物が「鎮め物」なのです。
[2回]
伊太祁曾神社にも、先般の「鎮め物だけ頒けてもらえますか?」という問い合わせの他に、「神社に行くので地鎮祭をやってください」という問い合わせもいただきます。
しかし、先に記したように「現場に行かずに地鎮祭はできません」からお断りをしています。
神社に来ていただいてできるのは「工事の安全祈願」であり「工事の奉告」です。
病気になっても本人が医者に出向かなければ診察も治療もできません。
しかし、処方箋があれば病人の代理として家族や友人が薬局で薬をもらってくることはできます。
どちらも病気を治すための行為ではありますが、根本的に別なことですよね。
現場に出向いて行う地鎮祭と、神社に来て行う工事に関する祈願はそれくらい違うものなんです。
繰り返し記しますが、おそらく春日大社も今回のこの参拝は「地鎮祭ではない」と認識していると考えます。
しかしマスメディアが誤って「地鎮祭」と報道したことで、世間一般には「地鎮祭は神社に行ってもできる」と認識されてしまいます。
報道の立場からすると「一般には地鎮祭と伝えた方が分かりやすい」と考えたのかもしれませんが、そもそも根本的に違うのですから、やはりそこはちゃんと伝えてほしいと思います。
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