まるすぎさんから質問がありましたので、数え年について記したいと思います。
数え年というのは、日本人が伝統的に使ってきた年齢の数え方です。
生まれたときが1歳。あとはお正月が来る毎に、みんな揃って1つづつ歳が増えます。
ですから、12月31日生まれの子は、生まれたときが1歳で、翌日の1月1日には2歳になります。
逆に、1月1日生まれの子は、生まれたときは同様に1歳ですが、2歳になるのは丸1年経った、翌年の1月1日です。
これに対して、現在我々が一般に使っている年齢(誕生日が来ると1歳増える)を満年齢といいます。
満年齢の場合は、生まれたときは0歳です。
数え年で何歳になるのかは、その年の誕生日を迎えているか、いないかで、計算方法が変わります。
まだ誕生日を迎えていない方は、満年齢に2歳を加えます。
誕生日を迎えた方は、満年齢に1歳を加えます。
昔は数え年で年齢を数えましたから、七五三詣りも、厄年も、算賀(米寿など)も全て、数え年で行う風習です。
現代では、満年齢が一般化しましたから、七五三などは満年齢でのお参りが増えていますが、本来は数えで行うんですよ。
では、なぜ 数え年 という年齢の数え方があったのでしょうかね?
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一説には、お母さんのおなかの中にいるときが 0歳 だからといいます。
俗に言う 十月十日(とつきとおか) を加算したと。これには、私は少し疑問もありますが・・・。
明治以前は、日本では太陰太陽暦を使用していたと以前に記しました。
(祭礼と暦参照
その1、
その2、
その3、
その4)
その中で、太陰太陽暦(旧暦)には 閏月 というのがあると記しました。
この 閏月 がやっかいなんですね。
満年齢のように、自分の誕生日で1歳年齢が増える形だと、閏月生まれの場合はどうなるのでしょう。
太陽暦でも、4年に1度閏年があり、2月29日があります。この2月29日生まれの人は、前後の日に誕生日のお祝いをして、ちゃんと毎年1歳年齢が増えるようになっていますが・・・。
暦が太陽暦に切り替わっても、相変わらず年齢に関しては数え年を使用していたようで、明治35年には 「年齢計算ニ関スル法律」 が制定・施行され、日本でも満年齢を用いるように定められました。
しかし、その後も数え年の習慣は続き、昭和24年に 「年齢のとなえ方に関する法律」 が改めて制定・施行され、国・地方公共団体の機関に対しては満年齢の使用を義務付け、数え年を用いる場合は明示することを義務付けられました。
このあたりについては、また項を改めたいと思います。
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COMMENT
無題
記号や数字というものに関しての脳が発達していないのでは?!と自分で自分が心配になる程です(笑)
しかしながら、こうして意味や背景が分かると、理解しやすいものですね(^^)
いつもながら勉強になります。
数え年と満年齢…
私はそろそろどちらであっても数えたくない年齢になってまいりましたが…(汗)
無題
大変勉強になりました。
それと、ほらほら(笑)
七五三ってやっぱ数えが本来なんですよね。
この間、娘の七五三の事、嫁さんと話していて、数えだと言ったら、馬鹿にされたんですよ。。。
帰ったら教えてやろうっと(笑)
ほらみろ。伊太祁曽さんがおっしゃってるじゃないかと。
ふふふふ。ぐうの音も出ませんね。
*ぽぷら*様
ところで、昔の人たちの元服(成人)は15~6歳などといわれますが、勿論これも数え年での話ですから、現在の年齢に直すと中学生程度なんですよね。いかに昔の方々がしっかりしていたか、改めて敬服してしまいます。
hiro様
でも、最近の七五三は写真屋さんや衣装屋さんのCMの影響も大きく、そういうところでの七五三祝いの年齢表が満年齢で書かれていることもおおいんですよ。(そのためか、昨年あたりから5歳の女の子や7歳の男の子のお祝いというのが1~2件あったりします・・・)
それと、学校との関係とかね。「周りの子達は来年やるっていうから」と足並みをそろえることもあるようです。数え年で祝うと満年齢より1~2年早くなりますから。
いろんな事情もあるでしょうから、数えでなくてはダメとは言いませんが、本来は数え年で祝うものだと知っていていただければありがたいです。
御礼!
解説ありがとうございました。
七五三、以前は数えだったのですね~
12月31日生まれの人は翌日
数えで二歳になるのも正しいのですね。
ホントに勉強になります。
役にたちました、ポチっですね!(笑)
まるすぎ様
我々神職にとってはあたりまえのように思っていることでも、一般にはあまり理解してもらえていないことは沢山ありますので、またわからないことがありましたらお気軽にお尋ねください。