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木の神様を祀る伊太祁曽神社(和歌山市鎮座)のブログ。

木の国神話の社 禰宜日誌

   
カテゴリー「豆知識」の記事一覧

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お守りの受け方

以前、このブログでは「おみくじの引き方」「御神札の祀り方」について記したことがあります。
また、別のブログでは「お守りの中身」について記したこともあります。

お守りの受け方については
「お守りを受けに来られる方の中には、駐車場から授与所に直行してお守りを受けて、そのまま参拝せずに自動車に乗って帰る方がいるけど、やはり参拝しましょうね」
という程度のことを記したことはあると思いますが、あまり詳しく記したことはなかったと思います。

神社での作法については「これが絶対に正しい」というものは実は少ないと思います。
一方で「これは絶対に間違っている」というものもそれほど多くないかと。
但し、「それは絶対にしてはいけない」というものはいろいろあるのでご注意を!

さて、お守りの受け方ですが、私はまず神前に参拝してから受けることをお薦めします。
「お守りは願掛けする器だから、まず入れ物を頂いて、参拝して願を込める」という方もいらっしゃるようで、それ自体は否定しません。
しかし、そもそも神社の社頭(授与所など)で頒布しているお守りは、事前に祈願を済ませてあるものですからそのまま頂いて帰っても問題ありません。
勿論、「先にお守りを頂いて、神前で参拝時に自分の祈りを込める」のも良い方法です。
どちらが正しいということはありません。そして、どちらかにしなくてはならないということもありません。

気をつけたいのは、◯◯さんが言っていたから、◯◯の本に書いてあったからという理由で自分では何も考えずにその真似をして安心してしまうことだと思います。
最初に記したように、参拝をしないというのは、ちょっと違う気がしますが・・・。

最近、神社への関心が高くなり、参拝作法などについても記された、いわゆる「HowTo本」や特集を目にしますが、そのまま鵜呑みにして真似するのではなく、それぞれ自身でよく考えて、自分が納得できる作法での参拝を。

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輸入割り箸の現状(続:割り箸を使うのは森林破壊になるのか?)

平成20年に9回に分けて連載した「割り箸を使うのは森林破壊になるのか?」
このブログでの書き込みをきっかけに、材木屋さんの友人たちといろいろと検討を重ねて、実験の末、「端材を使ったマイ箸キット」が誕生しました。
この「お箸キット」は当社でも、紀北キャンペーンや木工教室などで何度か活用しています。
また、この「お箸キット」を使ってワークショップなどを展開している友人もいます。

「割り箸を使うのは森林破壊になるのか?」の連載第7回目では輸入割り箸の危険性について触れています。
【リンク】割り箸を使うのは森林破壊になるのか?第7回

最近、輸入割り箸の危険性について啓発しているサイトを見つけましたので、リンクを貼っておきます。大雑把に言うと、8年前とほとんど状況は変わっていません。


中国割り箸製造工場の恐ろしい実態!割り箸使用は本当に危ない!

日本人が年間使っているわりばしの量。なんと軽く260億本を超えるそうです。1日あたりにすると7,100万本が消費されているんですね。確かに仕事や外出先での外食の多くはわりばしを使ってますね。
なかなか日本では大きく取り扱われませんが、そのわりばしで恐ろしい健康被害の恐れがあることが分かりました。まず百聞は一見にしかずということで2つの画像を見てください。

(画像は貼っていません。リンク先を参照して下さい)
↑こちらは以前に話題になったことがありますが、割り箸を金魚鉢にいれたら7日後には金魚が死んでしまったそうです。

 本来、あんなきれいな白いクリーンな木のわりばしなど存在せず、製造の過程で漂白剤、防カビ剤が大量に含まれています。


(画像は貼っていません。リンク先を参照して下さい)
↑こちらは、中国の有名俳優ホアン・ボー氏がレストランで仰天体験したSNS投稿です。彼がわりばしをきれいにしようと店員から水をもらってつけていたら、なんと水が黄色に変色し、変な匂いがしたというショッキングな出来事を紹介したものです。有名人の投稿だけに直ぐに125,000近くが転送投稿され中国では波紋を呼びました。

実際にわりばしの毒性について研究したレポートがあります。東京都健康安全研究センターの研究レポートで、わりばしに含有しているクロロエタノールの含有調査によると、わりばしや竹串などの竹製品を鶏などの食品に刺すと期間にもよるが3~24%が食品に移行することが確認できたそうです。

防腐剤に含まれるエタノール(ここでいうクロロエタノール)は、農薬などにも使われ、神経系統、肝臓などに影響を及ぼすことが知られていて国際的な危険有害分類基準では区分1「発がんのおそれ」に分類されているそうです。

日本ではこうした中国わりばしの使用量が9割以上です。大部分のわりばしは中国の貧しい小さな村で超低賃金で大量生産をしているのが現状です。竹製品の村工場が並ぶ合肥市の製造現場では教育を受けていない労働者が不衛生な環境で製造をしているそうです。

市の役員は「工場で働くものはみんなきちんとした教育を受けていないですよ。」「ほとんどのわりばしはすぐカビてしまいます。だから、工場で防腐剤と漂白剤を使ってるんです。」と言っています。

教育を受けていない工場で働くものがきちんと定められた薬品量で製造しているのかまでは誰も分かりません。

割り箸の毒性に制限がなくなる中国政府のずさんな管理

問題は、中国の定める基準で製造がされているか当局から厳格な取り締まりがあるわけではなく、実質政府は見て見ぬふりをしているのが現状のようです。

こうしたわりばしを作る工場の多くの地域では製造の認可すら取っていないので、実際に製品元を探し当てることは難しく、製造自体が工場任せになっているのが現状とのこと。(!! これは恐ろしい事実・・)

中国国際食品包装協会のDong Jinshi氏は「政府には厳密な品質検査を担当するところなんてないですね。たとえば北京のダシン区にはわりばし工場が7、8あって、製造から箱詰めまで全てやっています。出荷後にいろいろな販売業者を通していくから、出荷したら工場のオーナーですらどのわりばしが自分の工場のものかなんて分からないんです。」と述べています。

こんな状況でしたら、ただでさえ有害物質が含まれているのに多くの工場がきちんと適量を使って製造しているとは考えにくいですよね。もしかしたら日本人は大量に使っているわりばしからの有毒摂取量によってかなり健康を害している可能性が高いです。

日本人が好きなラーメンやうどん、そば、お味噌汁など汁物でわりばしを使っていますが、水分を吸収したわりばしを毎度口に運んでいる行為はそのまま大量の漂白剤、防カビ剤を口に運んでいるのと同じことということになる訳です。(ほんとうに恐ろしい…。)
食品の安全には気を使っても意外と盲点になりがちなわりばし。もう一度「My箸」を持ち運ぶことを考える記事でした。

(参考元:上海日報.com; Disposable chopsticks hazardous to health , Natural News; Chopsticks in China loaded with deadly toxins )
この記事も、私が以前に記したこととほぼ同じ内容が書かれています。
とすると、8年前から何も状況が変わっていないのでしょうか。
もし変わっていないのであれば、これはシナ政府を批判するのではなく、こういった製品の輸入に制限をかけられない日本政府を批判しなくては行けないのかも知れません。

記事の信憑性についてはいくつか気になるところがあります。
割り箸を入れたら金魚鉢の金魚が死んでしまったというのはちょっと極端な気がします。
あんな綺麗な白い木の割り箸云々とありますが、例えばアスペン使ってお箸を作れば比較的白い割り箸になると思います。
また、「きちっとした教育を受けていないものが働いているので、使用している薬品量が適切でないかもしれない」というのは、ちょっと偏見じみているようにも受け取れます。

一方でこんなことを記したサイトもありました。

「割り箸は危険」都市伝説の起源と進化(笑)

田中淳夫 | 森林ジャーナリスト2014年8月10日 12時11分配信

まずは、写真を見てほしい。(写真省略)
冒頭には
「中華スープに割り箸をつけたとき、モワッと何か白くにじみ出るのが見えた。」
ここを読んで、ああ、最近このニュースが週刊誌やネットの世界でよく紹介されているな、と思った人がいるかもしれない。中国製は食品だけでなく、割り箸も危険なんだ……。
残念でした。この記事は、2007年8月17日号の「アエラ」である。7年も前のものなのだ。最近流れているのは、主に「週刊大衆」の記事のようである。
「上海のレストランで食事をしていた一般客が、割り箸を澄んだスープに入れたら、瞬く間に濁ったことから発覚しました。報告を受けた当局が調査のために割り箸を水槽に入れたら、元気に泳いでいた金魚が、ぷっかり浮かんできたそうです」(通信社中国特派員)
これはネットで公開されたものだが、私はほかにも目にしたことがあるから、このところ、いくつもの媒体で取り上げられているのは間違いない。いずれも伝聞で場所も時もはっきりせず、そして匿名だ。
しかも、今回が初めてのスクープ?ではなかったのである。
割り箸危険論の登場を探ると、アエラの記事の前に、日経ビジネスオンラインの2007年8月24日配信にも割り箸の記事があった。これは「中国・キタムラレポート」で、こちらはちゃんとネタ元を記している。大連市の新聞「半島晨報」だ。
こちらで問題にしているのは割り箸の品質保証期限の遵守だが、その中で割り箸の中には「漂白」や「乾燥」「艶出し」、そして「防カビ」に化学薬品などを使っているケースがあることも記している。この新聞は、全体にしっかり取材した様子が伝わる。

割り箸批判の起源をたどると、かなり古い。古くは、1940年に軍から出た「割り箸不要論」である。それは軍船をつくる木材が不足しているのに、割り箸のように木材を使い捨てしているのがケシカランという内容であった。木材は軍需物資であり、無駄遣いを嫌われたのだ。
だが、政府による調査も行われて、割り箸は製材時の端材から作られていることがわかると鎮静した。
戦後は、1960年代から幾度も「使い捨ての割り箸はもったいない」と割り箸不要論が起きる。たいていマスコミが火をつけて、一時は盛り上がるが、数カ月で鎮静化する動きの繰り返しだ。これらは、皆「使い捨て」の是非がテーマであった。
その根底には、割り箸が日本の森林を浪費しているのではないかという認識がある。
少し様子が変わるのは、1989年に公表されたWWF(世界自然保護基金)の「割り箸が熱帯雨林を破壊している」という資料だ。正式なレポートではなかったが、一度報道されると、またたくまに広まった。国内の森林ではなく、海外の森林を取り上げたところに「新しさ」がある。
しかし、割り箸は熱帯地域の木で作られることはほとんどないことがわかる。そこで次のターゲットとなったのは、中国の森林であった。日本の割り箸の多くが中国産であることが知られだしたからだろう。割り箸が中国の森林を破壊しているとした。(もっとも、現在の中国産割り箸の多くは、ロシア材を使っている。)
以後、1990年代に割り箸批判は強まるのだが、そこでは「割り箸は森林破壊」がテーマとなった。
それもやがて鎮静化するが、2005年に再び火がついた。それは中国の要人が「割り箸を全面禁輸する」と発言したことからだった。つまり割り箸を使えなくなることを危惧して、割り箸の代わりに塗り箸を使おうという運動になったらしい。その理由としては、やはり世界的な森林の減少が指摘された。
もっとも、全面禁輸はまったく実行されなかったのだが。

ただし、割り箸の消費量は激減した。2007年当時に年間約250億膳使われた割り箸は、現在190億膳程度である。代わって増えたのは、塗り箸ではなくプラスチック箸だ。主に外食産業が割り箸から切り替えたからだ。石油製品であるプラスチックは、環境破壊ではないと考える人が増えたのだろうか。

ここ数年、またもや割り箸批判がぶり返し始めた。
今度のテーマは「環境」というより「安全」である。とくに中国産に対する攻撃だ。中国の食品に次々と起こる安全疑惑に連動するかのように割り箸批判も起きている。
ちょうど毒入り餃子事件やメラミン粉ミルク事件が起きたりしたことが、中国の食品擬装が問題となり、中国の食品は、残留農薬や添加物がいっぱい、不衛生な製造過程である、と怒涛のように批判された。すると一緒に割り箸も取り上げられるのである。

どうやら割り箸危険論は、繰り返し登場する都市伝説のようなものらしい。
ただし、時代に合わせて理由は変わる。単に「木材がもったいない」だけでなく、森林破壊になったり、安全になったり。

「ファストフード店のハンバーガーに使われているのはミミズ肉」という都市伝説が、ときにネズミ肉になったり、3本足のニワトリになったり、中国産期限切れ肉になったり(あ、これは伝説ではないか……)するようなものだ。
いずれにしても、時流に乗って、割り箸批判も行われているのだ。資源不足や国の内外の環境問題。今は食の安全に加えて中国たたきの材料として格好のターゲットになったというわけだろう。割り箸批判も“進化“するらしい。

もし、本当に割り箸が危険だと思うのなら、自ら実験をしたらどうだろう。割り箸を水につけると白いものがにじみ出るか。金魚が死ぬか。非常に簡単で誰でもできる。手間も金もかからない。そして確認できてから騒ぐといい。(本当に確認できたら、大スクープだ。)
何もしないで伝聞・匿名で批判を垂れ流すのはみっともない、というより情けない。
なるほど。確かに、私は割り箸を水につけておいてどうなったかという ”実験” はしたことがありません。しかし食べ終えて長時間うどんやラーメンのスープに割り箸が浸かりっぱなしになっている状態の、スープの表面に何かが浮いているような場面は見たような気がします。
実験をしたわけではないので、割り箸ではなく他の要因かもしれませんが・・・。

ただ、私が輸入割り箸の薬剤付けについて知ったのは、後から掲載した記事の言う、割り箸全面禁輸の頃。つまり、飲食店でプラスティック箸が増え始める少し前のことです。
この時期は割り箸が環境破壊に繋がると言われ、割り箸批判をされていた頃です。

真相は、伝聞ではなく自分自身でちゃんと調べてみなくてはわかりませんが、食の安全を含めて様々なことについて安全が求められている現代、心情的に国産品の方が信じられるというのが日本人ではないでしょうか。


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お神札の祀り方

お神札は家庭のお守りです

「お神札は家庭のお守り」 とも言われます。正しくは、お神札を小型化して持ち歩けるようにしたものが 「お守り」 なのですが、そのことについては稿を改めることにします。

まず、お神札を祀る場所ですが、お神札が 南向き または 東向き になる場所を選びます。
勿論、神様のおしるしを祀る訳ですから、人が見降ろすことの無いように目線よりも高い場所を選びます。
和室などで座ってお詣りする場合は、座った時に目線より高くなればそれで構いません。
つまり、お参りする時に神様を見下ろすような格好になる場所は不適切と言うことです。

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そして、宮形(みやがた)を準備してお神札を納めます。
宮形というのは一般に「神棚」と呼ばれる神社の形を模した、お神札を納める社のことです。
元々はこの宮形を置く棚を「神棚」と呼んでいたわけですが、次第に宮形も含めて神棚と呼ぶようになりました。
私たち神職も 宮形 の意味で 神棚 と呼ぶことも多いです。

宮形には様々な形態のものがあります。板葺のものや、実際の社殿と同じように桧皮葺きや銅板葺きのものもあります。
作りも大きなものから小さなものまで様々です。
どの宮形にするかは祀られる人の好みで選んでよいと思います。
基本的にどの宮形でも一般的なお神札は扉の中に納められるようにつくられていますが、中にはお神札の納まらないものもあるようです。
ホームセンターなどでも神棚(宮形)を扱っているところがあるようですが、神具店で求められる方が間違いがありません。
神社によっては授与所で神棚(宮形)をお頒ちしているところもあります。伊太祁曽神社でも神棚(宮形)をお頒ちしています。

宮形に納めるお神札は「天照皇大神宮」「氏神様」「崇敬神社」の3種類です。
「天照皇大神宮」のお神札は伊勢の神宮のお神札で、「神宮大麻」「お伊勢さんのお神札」などと呼ばれます。
日本の国の守り神様ですので、必ず神棚に祀ることとされています。
「氏神様」のお神札は今現在あなたがお住まいの土地の守り神様のお神札です。どこの神社が氏神様になるのか判らない場合は、その土地に古くから住む人に尋ねるか、最寄りの神社で尋ねると良いでしょう。
この2つのお神札は必ず神棚に祀ることになっています。
そして「崇敬神社」。これは自分が特に信仰していたり、旅行などで参拝して頂いてきた神社のお神札です。崇敬神社のお神札は何体あっても構いません。
つまり、宮形には最低2体のお神札が祀られているのが正しい姿であり、お祀りするお神札の数に上限はありません。

お神札の祀り方

これらのお神札には祀る順番が決まっています。
扉が3枚ある宮形では、中央に「天照皇大神宮」、向かって右に「氏神様」、向かって左に「崇敬神社」のお神札を納めます。
多くの家庭の宮形は扉が1枚だと思いますが、その場合は手前から「天照皇大神宮」「氏神様」「崇敬神社」の順に重ねます。
「崇敬神社」が複数ある場合の順番には特に決まりがありませんので、自分で思うように重ねて頂いて結構です。

最近は「お神札フォルダー」などと称した簡易宮形の様なものもあるようですが、私はあまりおすすめしていません。
家族を見守っていただく神様のおしるしを 「簡易宮形」 で良しとしてしまうのは感心しないからです。
簡易宮形はいわば仮設住宅ですから、諸事情により一時的に使われるのは仕方がありませんが、いつまでも簡易宮形にお祀りして良いというものではありません。お神札フォルダーなどに祀ってしまうと、大抵の方はそれで安心してしまい、きちっとした宮形を準備して祀るということを怠ってしまいます。ですから、私は最初からおすすめしないのです。
むしろ、それならば宮形の準備ができるまでの間、お神札だけをむき出しの状態で祀ることを、私はお話しています。
お神札がむき出しのまま祀られていれば、やはり少しでも早くきちっと祀らなくてはいけないと思うのが心情というものですから。

ご家庭に宮形(神棚)がないという方、新年から神様をお祀りされてはいかがでしょうか。

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師走(しわす)~その由来~

 12月になりました。今年も残すところあと1ヶ月ですね。
この年末の1ヶ月というのは日本人の信仰が多様であることを顕著に見ることができると思っています。
正確にいうと12月の1ヶ月ではなく、本当に年末の1週間程度とも言えますが。

11月の下旬ころから気の早いところではクリスマスソングが流れ始めますね。
そもそも、これが日本人の信仰が多様であることを示す序曲です(笑

鐘

12月25日のクリスマス、どちらかと言うと日本ではその前夜であるクリスマス・イブに意識が集まっているように思いますが、いずれにしてもこの行事はキリスト教に由来するキリストの生誕祭です。
そしてクリスマスが済むと、世の中は慌ただしく迎春モードに切り替わります。

クリスマスツリーが片づけられ、門松やらが出てくるのがこの時期。家庭用の正月飾りなどもこの頃から慌ただしく求める人が多いのではないでしょうか。
そして年の最後の最後に、除夜の鐘が鳴らされます。所によっては除夜の鐘を衝かせていただけるお寺もあるようですね。
そう、今書きましたように除夜の鐘は寺院。つまり仏教ですね。
そして年が改まると、多くの方は初詣に出かけます。行き先の多くは神社。中にはお寺に初詣をされる方もありますが、どちらかというと神社の方が多いようです。
神社は神道です。

つまり、このわずかな期間に日本人はキリスト教、仏教、神道に触れて行くわけですね。

なんともまぁ慌ただしい。

ところで、月の和名で12月は師走(しわす)と言います。
師走の由来には諸説あるようですね。

師匠も走り廻る忙しい時期なので 「師走」 というのが、よく聞く由来でしょうか。
小学生などに分かりやすく説明するために 「先生も走り廻るから・・・」 という方もあるようですが、子供にしてみればなぜ年末になると学校の先生が走り廻らなくてはならないのかピンときませんから、さっぱりわからないでしょうね。

また、一説では 師走 の ”師” は 師匠 ではなく 法師 であるとして、お坊さんが走るからとする説もあるようです。
確かに年末に除夜の鐘を衝いたりするので、お坊さんも年末は忙しいでしょう。なんとなくわかるような気がしますね。

結局のところ 師走 の語源については 「語源不詳。『師走』は当て字」(国語大辞典) などとあり、よくわからないようです。

ここで1つ違う説を紹介しておきます。
平安時代末期から、お伊勢さん(一般にいう伊勢神宮)の御神徳を広く知ってもらうために、伊勢神宮の神職が 「御師(おし、おんし)」 として全国各地に足を運びました。
神宮大麻(=お伊勢さんのお神札)を持って、全国津々浦々に配り歩き、伊勢の大神様の御神徳を説いて回ったのです。

これが、やがて江戸時代の 「おかげまいり」 の下地となって行くわけですね。
さて、当然年末になると、新年に新しいお神札を祀って貰わなくてはなりません。御師も早足で全国行脚をするわけです。
つまり、「御師が走る=師走」 というのが私の考えです。

この説の1つ強いところは、「師が走る」 の師を、師匠とか法師 から一文字とるのではなく、まさに 師 そのものということですね。
御師と書きますが、「御」 は 御礼 とか 御神札 とかの ”御” ですから、つまり 「師」 なわけです。

さて、師走の由来について書きましたが、年末には家庭の神棚のお神札を新しくします。
今は御師の制度は廃止されてしまいましたが、替わって全国の神社でお伊勢さんのお神札を受けることが出来るようになっています。
地域によっては氏神様の神職や総代さんが各家庭を廻って、神宮大麻や氏神様のお神札を配って廻っているところもあります。

神棚

師走=御師が走る という月であったならば、やはり12月には家庭の神棚のお神札を新しくしましょう。
神棚の祀り方がよくわからないのであれば、お気軽にお近くの神社にお問い合わせください。

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お札に巻かれている薄い紙


お札には薄い紙が巻かれていますが、みなさんどうされていますか?

神棚(宮形)に納めてお祀りするお札(おふだ)の話です。
お札(おふだ)であり、お札(おさつ)ではありません。

10月に伊勢の神宮で大麻頒布始祭が斎行され、各都道府県や、神社庁の支部、各神社などそれぞれで順次頒布始祭が執り行われ、そろそろ氏子崇敬者の各家庭には神宮大麻(お伊勢さんのお札)が届く頃ではないでしょうか。神宮大麻にあわせて氏神様のお札も頒布されるところも多いと思います。

お札には、木製や紙製、形も剣先や角など様々ですが、神宮大麻は紙の角札ですね。
そしてお札に記されている文字が読めるような薄い紙が巻かれています。
各神社のお札でも紙札の場合、同様になっているものがありますね。
(写真右側がそれぞれ薄い紙の巻かれているもの、左側が取ったもの)

この薄い紙、もともとは包装紙の役割として巻かれたものだそうです。
ですから本来は頂いてきて、神棚に納める際に取るもののようですが、御神名や神社名がそのまま見えるのは恐れ多いと、この紙を巻いたままお祀りされる方も多いようです。
それだけ神様に畏敬の念を抱くことは決して悪いとは思いませんので、その祀り方を否定はしません。ただ、時々この薄い紙をどうしたらよいのか聞かれることがあるので、その由来についてのみ記しておきます。

年末には自宅や会社の神棚のお札を新しくされる方も多いと思います。参考にしてください。

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おみくじの引き方


12月に入りました。いよいよ今年も残すところあと1ヶ月を切りました。
世間一般でも慌ただしくなりますが、私たちは特に迎春準備で慌ただしくなります・・・。

さて、年が明けると多くの皆さんは近くの神社仏閣に初詣に行かれると思います。
初詣の意味や作法についても記しておきたいのですが、それはまた別の機会にします。

初詣に限らず、お参りの後に「おみくじ」を引かれる方も多いと思います。
普段の日でも、社頭の様子を見ていると おみくじ を引く方は結構いますね。
ただ、おみくじの正しい引き方を知らない人が案外多い。

という訳で、おみくじの正しい引き方について記しておきたいと思います。
おみくじについては以前にもこのブログで少し説明しましたが、今回はより詳しく書いてみたいと思います。→ 以前の記事「おみくじ」はこちら

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伊勢の神宮 その3(参拝の作法)

今日は伊勢の神宮では 神嘗祭(かんなめさい)というお祭りが行われます。
神宮の年間祭祀の中で特に重要なものを三節祭(さんせつさい)と呼びますが、神嘗祭はその三節祭の1つで、天皇陛下が収穫された新穀をお供えし、皇室のご繁栄と国家の安泰、五穀の豊穣、国民の平安をお祈りします。


神宮は125の神社の総称であると書きました。
それぞれの神社の鎮座地は伊勢を中心に各所になりますが、内宮・外宮の宮域にもいくつかの神社が鎮座しています。
詳しくはこちらの過去記事を参照ください。http://itakiso.blog.shinobi.jp/Date/20131003/1/#entry904

さて、内宮・外宮参拝の順路のようなものが紹介されている本やサイトも多数あります。
概ねその通りに参拝されればよいのですが、これらにも時々誤った記述があるように思います。
また、参拝の1つの順番として参考にすればよいのですが、その順番が唯一絶対の様に捉えられかねない記載がされていることもあるようです。

先日、とあるテレビ番組では、「神宮の御正宮では個人的なお願いごとをしてはいけません。個人的なお願い事は内宮の荒祭宮ではしてよいことになっています。」と紹介されていました。
昔から神宮は「私幣禁断」と言われ、個人的な祈願のためにお供えすることはできないとされてきました。ですからテレビ番組で紹介していた前半の部分は誤りではありません。しかし、この「私幣禁断」というのは御正宮に限ってのことという意味ではなく、あくまで ”神宮” ですから荒祭宮では私幣を納めてよいいうことにはならないと思うのです。どこからこういう話がでたのか、ちょっとよくわかりません。
しかし、この話はいろいろな形で広がっているのでしょうか。近年、荒祭宮にも以前では考えられないほどの長い参拝の列ができているのを見かけます・・・。


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伊勢の神宮 その2(参拝の順序)

伊勢の神宮が20年に1度の式年遷宮を迎え、今年は空前の伊勢参宮ブームのようです。
年間1,000万人の参拝がすでに確実視され、1,300万人程度と目されているようです。

伊勢参宮は江戸時代に数度ブームとなりました。いわゆる「お陰まいり」です。
当時は徒歩での移動しかありませんから、日本全国から歩いて何日もかけて神宮へ参拝をしました。
当然費用も莫大にかかります。「一生に一度はお伊勢詣りをしたい」というのが庶民の夢だったようです。そのため、村の皆でお金を出し合って籤などで選ばれた代表者が伊勢参宮をしたり、身代りに犬を参宮旅行に出したりということもよくあったようです。

さて近年、伊勢参宮に関するガイドブックが数多く出版されています。
いろいろなことが記されているようですが、中には少々誤った記述がされているものあるようです。
そんな中、比較的よく見かけるものについて記しておきたいと思います。


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伊勢の神宮 その1

昨晩は、伊勢の神宮で20年ごとに行われる式年遷宮の最も重要な儀式である 遷御(せんぎょ)が執り行われました。
遷御というのは、わかりやすく簡単に言うと、神様のお引越しです。伊勢の神宮では20年ごとに社殿を新たにして神様にお引越しいただくという神事を1300年前から制度化して続けています。今回の御遷宮は62回目となります。

近年のパワースポットブームなどと相まって、今年の神宮への参拝者は過去に例のない1000万人を超えることが確定的だそうです。
神宮に関するガイドブックや特集記事も例年になく多いようで、いろいろなものが刊行されているようですが、中には我々が見て「?」と思うような記事もあったりします。
大きく間違っているわけではないが、微妙に違うというものもしばしば目にします。

いくつかについては、FaceBook などで紹介したりしてきましたが、詳しく知りたいというコメントなどがありましたので、ブログのほうで取り上げさせてもらうことにしました。

久々に 連載記事 として綴ってゆこうと思っています。
(そもそも最近、ブログの更新自体が滞りがちでスミマセン)

とはいえ、市販のガイドブックも大部分が正しく記されていますから、新しいこと、知らないことが満載という訳にはゆきません。
ほとんどが 「知っているよ」 という内容になるかもしれませんが、ご容赦ください。



初回の今回は もっとも基礎的な部分を記しておきます。

よく「伊勢神宮」と表記・表現されますが、正式には「神宮(じんぐう)」とのみ申し上げます。
全国には ”神宮” のつく神社がたくさんあります。
東京の明治神宮、名古屋の熱田神宮などをはじめ、北海道神宮(北海道)、鹿島神宮(茨城)、香取神宮(千葉)、東京大神宮(東京)、氣比神宮(福井)、近江神宮(滋賀)、平安神宮(京都)、橿原神宮(奈良)、石上神宮(奈良)、吉野神宮(奈良)、伊弉諾神宮(兵庫)、赤間神宮(山口)、宇佐神宮(大分)、宮崎神宮(宮崎)、鹿児島神宮(鹿児島)、霧島神宮(鹿児島)・・・などなど。
これらの神社は全て ○○神宮 という名称ですが、伊勢は 伊勢神宮 ではなく 単に 神宮 なんですね。

ただ、私たち神職も一般の皆さんにわかりやすいように 「伊勢の神宮」と表現したり、普通に「伊勢神宮」「お伊勢さん」などと呼ぶこともあります。


さて、神宮といいますと、内宮(ないくう)と外宮(げくう)の2つの社殿を思い浮かべる方も多いと思います。少し詳しい方なら、荒祭宮(あらまつりのみや)や多賀宮(たがのみや)などの別宮も思い浮かべるかもしれません。
神宮は2所の正宮(しょうぐう)と14所の別宮(べつぐう)、109の摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)・所管社(しょかんしゃ)の合計125のお社から成り立っています。
そしてこれら125のお社の鎮座地は三重県伊勢市を中心として、松阪や鳥羽、志摩にも広がります。

内宮は正式には皇大神宮(こうたいじんぐう)といい、皇祖神である天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)をお祀りしています。一般には天照大神(あまてらすおおみかみ)と呼ばれる神様ですが、神宮では祭祀の際には特に御神前で慎み畏んでこのようにお呼びしています。内宮所管の別宮は10、摂社は27、末社は16、所管社は30あり、さらに別宮の所管社が8あります。

外宮は正式には豊受大神宮(とようけだいじんぐう)といい、御饌都神(みけつかみ)である豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りしています。
第21代雄略天皇の御夢に天照坐皇大御神の御教があり、丹波国に祀られていたこの神をお迎えしたと伝えられています。
外宮所管の別宮は4、摂社は16、末社は8、所管社は4あります。

別宮とは宮号(きゅうごう)を有する社です。両正宮を本宮としてその別れの宮という意味です。

内宮所管の別宮は
  • 荒祭宮(あらまつりのみや)・・・天照坐皇大御神荒御魂(あまてらしますすめおおみかみのあらみたま)を祀る
  • 月読宮(つきよみのみや)・・・月読尊(つきよみのみこと)を祀る
  • 月読荒御魂宮(つきよみあらみたまのみや)・・・月読尊の荒御魂を祀る
  • 伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)・・・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祀る
  • 伊佐奈弥宮(いざなみのみや)・・・伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祀る
  • 滝原宮(たきはらのみや)・・・皇大御神御魂(すめおおみかみのみたま)を祀る
  • 滝原竝宮(たきはらのならびのみや)・・・皇大御神御魂を祀る
  • 伊雑宮(いざわのみや)・・・皇大御神御魂を祀る
  • 風日祈宮(かざひのみのみや)・・・級長津彦命(しなつひこのみこと)、級長戸辺命(しなとべのみこと)を祀る
  • 倭姫宮(やまとひめのみや)・・・倭姫命(やまとひめのみこと)を祀る

の10社、外宮所管の別宮は

  • 多賀宮(たがのみや)・・・豊受大御神荒御魂(とようけのおおみかみのあらみたま)を祀る
  • 土宮(つちのみや)・・・大土乃御祖神(おほつちのみおやのかみ)を祀る
  • 月夜見宮(つきよみのみや)・・・月夜見尊(つきよみのみこと)、月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)を祀る
  • 風宮(かぜのみや)・・・級長津彦命(しなつひこのみこと)、級長戸辺命(しなとべのみこと)を祀る

の4社です。別宮については、いずれ個別に紹介したいと思います。

摂社は延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に記されている神社です。延喜式神名帳とは平安時代に編纂された法令集『延喜式』の巻9・10のことで、ここには全国の神社3000余社が記されています。延喜式神名帳に記されている神社を一般には「式内社」と呼びますが、摂社はいわば神宮所管の神社で式内社であるものと言えると思います。
(ちなみに伊太祁曽神社も式内社です)

末社は延暦儀式帳に記載があるが延喜式に記載のないものを言います。延暦儀式帳とは延喜式編纂よりも前の延暦年間に神宮から朝廷に提出された書面で、神宮の由緒や祭典などについて詳細に記されています。『皇大神宮儀式帳』『止由氣宮儀式帳』を総称して「延暦の儀式帳」という呼び方をします。

所管社は上記以外に神宮が祭祀の執行に直接関係のある神々をお祀りし、末社に準じて祭祀を行う神社を言います。

こういった多数の神社を総称して 神宮 と呼ぶのです。
ですから、これらを巡拝するだけでも、伊勢に何度足を運んでも毎回違う参拝の仕方ができるというのも、神宮のすごいところです。

次回は、神宮のお参りの仕方について記したいと思います。

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国旗掲揚の取り扱いについて

今年はオリンピックイヤーで、既に五輪出場権をかけた大会などが行われており、代表候補選手の応援に力が入ります。
特に国際試合の結果で五輪出場ができるか決まる大会では、国旗を掲げての応援もよく目にします。
最近は、日の丸の白地に応援メッセージを記していることを良く見かけますが、以前からこれには違和感を覚えていました。

(社)国旗協会が発行している 『国旗の知識』 という小冊子に 「国旗掲揚の取り扱い十二章」 というのが記されているので、ここに転載しておきたいと思います。
ちなみに、国旗協会という団体は内閣府所管の団体です。
即ち、日本政府としての国旗の扱いに対する見解を記していると理解してよいかと思います。

国旗掲揚の取り扱い十二章

第一章 国旗は常に旗竿(ポール)の最上部、竿頭に接して掲げなければならない。

第二章 室内においては三脚等を用いて垂直に掲げることにつとめ、ステージなどでは出来る限り横長とする。

第三章 国旗の上位とは、内側からみて最右翼、外側からは最左翼である。

第四章 掲揚は日の出(または始業)から日没(終業)までとする。

第五章 各国国旗を同時に掲げる場合は国旗の大きさは同一で、旗竿の高さも同一とする。

第六章 一本の国旗に二つの国旗を掲げてはならない。上位の国旗は下位の国旗を支配したことを意味する。

第七章 敷地内で自国の国旗を掲げることなく、外国の国旗のみ掲げてはならない。外国旗の掲揚には必ず自国の国旗も掲げる。

第八章 国旗と団体旗を併掲するときは国旗は団体旗と同一か大きい旗とし、ポールの高さも同一かより高くする。同じ高さの三本のポールに国旗と団体旗を掲げる場合は外側からみて①真中、②左、③右の順で掲げるのも一方法である。
なお、四本以上の同じ高さのポールに外国旗を掲げる場合は、日本も含めて国名の頭文字順に外側からみて左側より順列掲揚する。

第九章 国旗は地面につけないようにする。また、汚れたり、破損した国旗は掲げない。勿論文字を書き込んだりテーブル掛けなどには使わない。

第十章 悲しみの場合は半旗を掲げる。半旗とは旗竿から旗の縦~横巾分だけ降ろした位置。半旗の掲揚は始め竿頭まで掲げてから縦~横巾分だけおろす。下納するときは竿頭まで掲げてから下納する。家庭では竿頭と旗の間に巾三センチ、旗の横巾の長さの黒布をつけるか、竿頭を黒布で巻くのも一方法である。

第十一章 古くなった国旗は焼却するのが最適である。このほか旗章部分(日の丸の場合は赤い丸)を切り取って焼却するのも一方法である。

第十二章 国旗掲揚の際は起立して目礼、あるいは脱帽して国旗に敬意をあらわすのが通例である。
 
(社)国旗協会 『国旗の知識』 より抜粋

日本の教育現場では、あまり国旗教育をおこなっていないので、こういったことを知らない方も多いですね。
以前に、とある大会の準備で、ステージ設営をしている業者の方が国旗を床に無造作に置いていたのを見かけました。思い余って近くにあった椅子の上に移しましたが・・・。

国旗にメッセージを書き込んで掲げるのも、やはりやめたほうがよろしいかと・・・。

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春分の日はなぜお休み?

今日は、「春分の日」として”休日”ですが、これは宮中で「春季皇霊祭」という祭典が執り行われる”祭日”であることに由来します。つまり”祭日”なんですね。

皇霊祭という祭典は、皇室のご先祖(つまり歴代天皇など)を祀るお祭りです。
春と秋に行われ、それぞれ春分の日、秋分の日が祭り日になっています。
この日は彼岸の中日でもありますね。

ちなみに 「春分の日」 「秋分の日」 が休日なのは、「春季皇霊祭」 「秋季皇霊祭」 に由来します。
明治11年の太政官布告により春季皇霊祭と秋季皇霊祭が祝祭日と定められましたが、戦後は昭和23年の国民の祝日に関する法律により、「春分の日」「秋分の日」という休日に改められました。
そのため、休みの意味が分かりにくい日の1つになっています。

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祝詞では氏名を奏上する際に氏と名の間に「の」を入れます

先日、ある神主さんが祈願参拝の際の氏名の奏上の仕方が悪かったのか、参拝者からお叱りを受けたとブログに書かれていました。
私たちは祝詞で人名を奏上する際に、概ね姓と名の間に「の」をいれて奏上します。
例えば、「和歌山 一郎(わかやま いちろう)」さんという方であれば、「和歌山 の 一郎(わかやま の いちろう)」という風に読み上げるのです。
どうも、このことをご存じない方だったようで、名前が違うとお叱りを受けた様子でした。

ところで、何故祝詞ではこの様に読み上げるのでしょうか?
次に挙げる人名はどの様に読みますか?
中学校などの歴史の授業で、次の人たちの読み方はどの様に習いましたか?
 ①紀貫之 ②菅原道真 ③平将門 ④源頼朝

 ① き の つらゆき ② すがわら の みちざね ③ たいら の まさかど ④ みなもと の よりとも
この様に習ったと思います。
 ①き つらゆき、②すがわら みちざね、③たいら まさかど、④みなもと よりとも
ではなかったですよね。
祝詞で人名を奏上する場合、これに則って行うのです。

この場合、ややこしいのが、例えば 谷、島、西、などという苗字の場合。
それぞれに 「の」 をいれて読むと、「たにの」「しまの」「にしの」という風に別の苗字になってしまうからです。
こういう場合、名前を間違って奏上されたと思われることがあるのかもしれません。
ちなみに 谷野、島野、西野という方の場合は 「たにのの」「しまのの」「にしのの」と読み上げるのです。

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千木で祀られている神様の性別を見分けられる!?

神社の社殿には、屋根を延長するような格好で二本の木が突き出していたり、交差した木が載っていたりします。これを 「千木(ちぎ)」 といいます。
千木には、その切り口が地面と水平方向になったもの (内削ぎと呼ぶ)、垂直方向になったもの (外削ぎと呼ぶ) があります。
また、屋根の上には俵型した木が並んで載せられています。これを 「鰹木(勝男木:かつおぎ)」 といいます。

千木が 内削ぎ であるか 外削ぎ であるか、また 鰹木 が偶数であるか奇数であるかで、社殿に祀られている神様が男神であるか女神であるか知ることができるという方がいますが、これは誤りです。
聞かれることが多いので記しておきます。

伊勢の神宮では、皇大神宮(内宮)の御正宮の千木は内削ぎ、鰹木は偶数本、豊受大神宮(外宮)の御正宮の千木は外削ぎ、鰹木は奇数本であり、御祭神である天照大神は女神、豊受大神は男神であることに起因するのだと思われます。

確かに、伊勢の神宮では、両宮の御正宮はそうなっていますが、しかしこれが全ての神社にあてはまる訳ではないのです。それどころか、神宮の内部でもそういう法則にはなっていません。

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バーチャル参拝

最近の パワースポットブーム などで神社に参拝される若い方が随分と増えています。
また、神社・仏閣でのマナー・作法について解説した書物や雑誌の特集も頻繁に行われているためか、ちゃんと参拝されてゆく方が多いように思います。

一方で、ブームの上っ面だけ乗っかった 来訪者 も少なくないのは事実。
神社としては 参拝者 とすら呼ぶことのできない方々なのが非常に残念です。


ところで、インターネット と ガラパゴス化したといわれる 多機能携帯電話 の普及で、手軽に神社・仏閣に参拝・参詣できるサービスや、新符・守札(一般にいうお札・お守り)の発送代行、祈祷の代理参拝などといったサービスも現れているようです。

しかし本来、祈願やお札・お守を受けるのは本人がするものと考えられています。
勿論、例外的に近しい方が代わって参拝する 代参 というものも昔からありますが、これは特例。

この様な神社側の意図を汲み、代理参拝やお札・守りの発送を行っていた事業者が、この種のサービスを閉鎖したというニュースがありました。

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北方領土の日

今日(2月7日)は 「北方領土の日」 です。

いまさらですが、北方領土とは、北海道は根室に東にある、
  • 歯舞群島(はぼまいぐんとう)
  • 色丹島(しこたんとう)
  • 国後島(くなしりとう)
  • 択捉島(えとろふとう)
の4つです。

北方領土の日は、領土問題に対する国民全体の関心と理解を深め、領土返還要求運動を盛り上げるために制定すべきだという多くの声に応え、昭和56年(1981)1月6日の閣議了解によって、毎年2月7日と決定されました。

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